テレダイン・レクロイのオシロスコープ、HDO6000Bを購入しました!

今回は注文していたオシロスコープがようやく届きましたので、レビューします。
夏ごろに購入していたのですが、レクロイの営業マンによると納期が大体年末か年を越した1月ごろになるといわれていました。

しかし今回嬉しいことに12月中に到着しました。

目次

今回購入したオシロスコープ

購入したのはテレダイン・レクロイのHDO6000Bシリーズです。

今まではよくあるBNC端子のみのオシロスコープを使用していました。このタイプですとアクティブプローブが非常に使いにくくなっています。 外部から電源を供給する必要があるからです。 なので、 いつもコンセント周りがアクティブプローブ用の電源アダプタでごちゃごちゃしていました。

最近本格的な測定を行う機会が増えてきたので、本格的なオシロスコープの設備導入を行ったわけです。



今回新しく購入したオシロスコープではアクティブプローブ用の電源供給の端子がついています。これでプローブに外部から電源を供給せずに使用できるため、ものすごく使い勝手が良くなります。

また、アクティブプローブも一緒に購入しました。
電流プローブが2つ、そして高電圧差動プローブが2つの合計4つほど購入しました。プローブをオシロスコープ本体に接続するだけで波形の表示ができます。

今回購入したオシロスコープ、テレダイン・レクロイのHDO6000Bです。帯域は1GHzのモデルです。
このオシロスコープで一番気に入っている点は何かというと、操作感です。

オシロスコープはメーカーごとにUIがかなり違ってきます。正直この使い勝手というのは慣れの問題もあるかとは思いますが、その中でも一番しっくりくるモデルとしてこれを選びました。

オシロスコープのメーカー選定

このモデルを選ぶにあたって、テレダイン・レクロイのほかにも候補が3つほどありました。

  • 横河電機
  • テクトロニクス
  • キーサイト

の3社です。今回選定した価格帯ではメーカによってスペックは若干の違いはありますが、正直どれも似たり寄ったりかなというところです。その中から一台を選ぶのであれば一番操作感のいいオシロスコープを選ぼうということで、今回このテレダイン・レクロイを試しに触ってみて決めました。

モデルの選択について


メーカーの選択の次はモデルの選定ですが、テレダイン・レクロイのオシロスコープでは他にも
・WaveSurfer 4000HDシリーズ
・HDO4000Aシリーズ
・HDO6000Bシリーズ
などがあります。これらの選択肢から以下の項目でそれぞれ比較しました

画面サイズ

HDO6000Bに決めるため、まず比較したのは画面のサイズです。今回購入したHDO6104Bは画面サイズが15.6インチのモデルになりますが、実際に触ってみてとても大きいと感じます。

動画を制作するうえで、オシロの画面がうまく収まりきらないのではといった懸念もありましたが、実際動画にしてみると15.6インチでも意外と動画の中にすっぽり収まってしまうので問題ないという風になりました。 

操作感

次に、先ほども挙げましたが操作感についてです。

オシロスコープを使用してみると、ちょっとした操作遅延がどのモデルでも発生します。さわってみた感想は、レクロイのWaveSurfer 4000HDは動作として結構もっさりとしていた印象がありました。
HDO4000Aシリーズと今回購入したHDO6000シリーズでは、かなり反応速度は良かった印象です。

この操作のサクサク感というのはやはりオシロスコープを使用するうえで結構重要です。サクサクしていますと使用している時にストレスが一切たまらないので、オシロスコープを選ぶときの必須項目に入れています。

重量

重さも検討材料の1つでした。イチケンは作業場所と撮影場所をオシロスコープが結構行ったり来たりしているので今回10kgという選定基準をいれました。HDO6000Bは重さ8.5kg(実測*)なので、ギリギリではありますが基準にマッチしている形になります。*(データシートを見ると9.8kgと記載)

起動の速さ

以前、動画のコメントで「オシロスコープで正確な測定ができるまでにはウォームアップをする必要があるので、起動時間が短いメリットはありますか?」というコメントがありました。今回、選定基準に起動の速さも入れています。

例えばあの波形を見たいとか、ざっくりでも確認したいなと思うことは皆さんもよくあると思います。そういった時に電源を入れて、その波形の概形をざっくりとでも確認できるのはかなり重要な項目だと思います。

もちろん、ウォームアップが終わってからの波形測定のほうが測定精度は良くなります。
しかし、ウォームアップの有無で測定結果がその後の結果にものすごく悪影響を与えるような測定というのは、イチケンの動画でやることはほとんどありません。

なので、起動時間が早いというのはかなりメリットになります。

周波数帯域幅


オシロスコープの性能の一つに周波数帯域幅があります。

HDO6000Bシリーズで選べる一番高い周波数帯域幅の1GHzモデルを選びました。ちなみにサンプリングレートは2.5GS/sです。HDO6000Bシリーズは実質的に周波数のアップグレードができない仕様になっています。 というのも、基板上のチップを交換する必要があるからです。

基板の交換となるとかなり費用がかかりますので、今回は1GHzの一番周波数の高いモデルを選びました。

また、使用するチャンネル数を増やしたときにサンプリングレートは下がりません。 他社のオシロスコープだと3CH、4CHなど使用するチャンネル数を増やしたときにサンプリングレートを下げることがあります。

HDO6000Bは、使用チャンネル数を増やしてもサンプリングレートが下がらないというのは大きなポイントです。

電圧分解能

電圧分解能も非常に重要です。
よくある8bitオシロの電圧分解能は2^8=256段階です。 12bitオシロだと2^12=4096段階になります。
波形のダイナミックレンジを大きくとれますので、波形の細部を見るときに12bitオシロは非常に有効です。

HDO6000Bは常時12bitです。他メーカーのオシロスコープだと、サンプリングレートを上げたときに8bitに落とすことがあります。 常時12bitならその心配はありません。

ミックスドシグナル

次はミックスドシグナルについてです。

今回購入したモデルではオシロスコープの前面に4つアナログの入力があります。
ただ、オシロスコープによってはこの部分にデジタル入力の信号があるものもあります。

今まで使ってきたオシロスコープでほとんどこのアナログの部分しか使ってきていなかったため、今後使うこともほぼほぼないだろうと判断しました。なのでデジタルのオプションは今回は外しています。

プローブのラインナップ

次はプローブのラインナップです。オシロスコープに標準で付いている受動プローブについては、どのメーカーも似たり寄ったりです。今回1GHzのモデルを買いましたが、レクロイの場合は受動プローブとして500MHzのモデルが付いています。

ただ、パッシブプローブで500MHzの計測というのは、(鰐口のリードが付いてたりする影響もあって)正直相当難しいかと思います。プローブの先端の部分を外して、先端のアタッチメントを付けることでどこまで対応できるかといった形ですね。

それ以上高い周波数を持った信号の測定をするならアクティブプローブを使います。
そのアクティブプローブのラインナップも重要です。オシロスコープ本体の性能はもちろん重要ですが、一緒に使うプローブの性能も重要です。

受動プローブはどこのメーカーでも使い回しができますが、アクティブプローブはメーカー間での使い回しができません

オシロスコープ本体と接続する部分に黒い専用の箱が付いています。ここで電源供給や信号の増幅を行っているからです。
メーカーごとに取り付け穴の仕様が異なっていて、使い回しが出来ません。ですので、そのオシロのメーカーから使いたいプローブが出ているかというのも調べるのも重要です。

イチケンが主に使うのは、高電圧差動プローブと電流プローブです。

そのジャンルで一番プローブのラインナップがあるメーカーは多分テクトロニクスです。その次にレクロイキーサイトという順番になるかと思います。使いたいアクティブプローブのラインナップに大きな差はなかったので、オシロスコープ本体の操作感が使いやすいレクロイの方で選びました。

今回のアクティブプローブは、外部電源が不要で端子の部分に挿すだけで使えるタイプです。今まではこういった高電圧差動プローブや電流プローブを使う時は外部電源が必要なものを使っていました。

外部電源を使うとなると、コンセントが必要になるのと電源供給のための配線がかなり煩雑になってしまい、正直使い勝手は良くないです。なので外部電源なしでオシロスコープから直接の電源供給ができる”専用品”のアクティブプローブを選択しました。

アクティブプローブがあると測定の幅が飛躍的に広がります。今回一緒に購入した高電圧差動プローブは、ピーク1.5kV帯域120MHzです。

また、クランプタイプの電流プローブも一緒に購入しました。
CP031という型番の商品です。

この電流プローブは、電流の実効値が30Aのホールセンサータイプです。直流も交流も測定できる電流プローブです。

動画の方では電流プローブを実際に使ってみているので、ぜひ動画のほうも見てください。

さいごに

ということで、今回はテレダイン・レクロイのオシロスコープを購入したという話でした。

減価償却的にも4~5年は余裕で使えますし、ときどき校正に出しながら使っていきたいと思います。
また、今後レクロイの方から新型のオシロスコープが出た際にはそちらの方も色々試してみたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください。

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